仕事のやりがいにつながるQOLの向上

最近よく耳にする「クオリティ・オブ・ライフ」とは、いったい何でしょうか。英語で「Quality of Life」と書きますが、直訳すれば「生活の質」という意味になります。
一般的には「QOL」と略称で呼ばれますが、医療分野におけるQOLとは、患者の状態を表す指標であり、具体的には、患者の身体的、精神的苦痛を取り除き、社会的活動を含んだ患者の生きがいや満足度の度合いを示します。
QOLは高低で表現し、QOLが高い場合は「生きがいを感じている」「患者に活力がある」など、前向きな状態を示しています。その一方で、「日々の生活に苦痛を感じる」「病気に対し不安で眠れない」などといった患者の状態は、QOLが低下していると言えるでしょう。
看護分野において、患者のQOL向上を目的とした資格が2つあります。それは、専門看護師と認定看護師です。どちらもより専門的な看護師の育成が目的ですが、両者の違いを簡単に表現するならば、専門看護師は「看護のプロ」、認定看護師は「現場のプロ」と言えるでしょう。では、ここで、患者のQOLの向上に貢献できる専門看護分野を紹介します。
まず、専門看護師としては、がん看護と老人看護が挙げられるでしょう。前者はがん患者の身体的・精神的苦痛を理解しQOLの視点から看護を提供し、後者は認知症などの高齢者のQOL向上のための看護を提供します。
認定看護師では、乳がん看護と緩和ケアが挙げられるでしょう。前者は予防的スキンケアなどを行いながら療養生活のQOLを高め、後者は生命を脅かす疾患が身体的・精神的障害とならないよう対処しながらQOLの向上に努めます。
どちらも責任の重い仕事ではありますが、同時に、やりがいのある仕事とも言えるでしょう。